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2009年3月25日 (水)

ロンドンより

まつこです。

月曜日にパリからロンドンに移動。ヒースロー空港に到着する前に気流のせいかで飛行機がしばらく揺れました。周りの席のイギリス人の若い男の子たちのグループが、「いざとなったら飛び降りようぜ。ハハハ・・・」とふざけあっていましたが、きっと彼らも怖かったのでしょう。まつこは胃が縮みあがる気分でした。いくら比較的安全な乗り物といっても、空を飛ぶというのは緊張感をともなうものです。

でも無事ロンドンに到着。ロンドンは例によって雨。次の火曜日も夕方雨が降りました。ロンドンの雨はそれほど長く続かないし、街並みの上に広がる雨上がりの青空はとてもきれいです。まつこはロンドンに来ると、サウス・ケンジントンの小さなホテルに泊まることが多いです。フランス人学校もあり、フランス人が多いおしゃれな地区です。前面を白く統一した住宅が立ち並び、その間によく手入れされた緑豊かなプライベート・ガーデンがあります。

Photo[こんな白い街並みがずっと続きます。こういう住宅をホテルに改装したところがいくつかあります。まつこが泊っているのもこんなタウン・ハウスをホテルにしたところです。]

Photo_2[プライベート・ガーデンは私有地なので、立ち入り禁止です。日本の小さな公園くらいの広さはゆうにあります。]

この住宅街の美しさがサウス・ケンジントンの最大の魅力です。この美しい住宅街の中にはおしゃれなショッピング・ストリートもあります。そういうお店をのぞきながら歩くと散歩の楽しみが倍増します。若くて裕福なビジネス・エリートの妻とか、優雅で上品なマダムが、よくお買いものをしています。おしゃれなブティックやインテリアのお店の間に、やはりおしゃれなカフェやレストランがあります。マダムたちはそんなカフェで、よく手入れされた長い脚を優雅に組みながらお茶や食事をしています。「こういう人たちがあのプライベート・ガーデンつきの家に住んでいるのかなあ」と、ちょっとうらやましい気持ちになります。

Photo_3[コンラン・ショップの入っているミシュランの建物です。1階にはオイスター・バーがあります]

しかしイギリスも経済混乱の真っただ中。90年代からの好景気を背景に、いかにもバブル景気の流行最先端をいったようなシャイニーな内装のお店がずいぶん増えましたが、これからどうなることでしょう?秋冬物のセールは年末から始まったはずですが、いまだに「セール続行中」と書いてあるブティックもあります。街のいたるところで道路や建物の工事も行っていますが、工事途中で唐突に不景気の波に襲われた、という雰囲気です。はたしてこの工事、完成までこぎつけられるのか、いかにも先行き不安な感じです。

Photo_4[まつこを吸い込む磁力を持っているお店]

散歩の途中、そんなことを思いながら、スローン・アヴェニューのジョゼフにちょっと立ち寄ってみました。見るだけのつもりで入ったのですが、出てきたときには手にショッピング・バッグが二つ。収穫は新作のバッグとスカーフと夏のカットソー。旅人として、イギリス経済にささやかな貢献をしました。

夜は二日続けて、ロンドン在住の友人wombyとcherryの夫妻と一緒にナショナル・シアターで芝居を観ました。月曜の晩はシェイクスピアの同時代人でクリストファー・マーロウという劇作家の書いた『カルタゴの女王ダイドー』という芝居をみました。誇り高い女王が愛した男に捨てられたため自らの身に火をつけて死ぬという悲劇です。今回の上演は、そこから威厳やヒロイズムをはぎ取ってしまい、ホームドラマ風に仕立てているようでした。「ようでした」というのは、冒頭からあんまりおもしろくなくて、時差の関係で寝不足が続いていたまつこはずっとウトウトとしてしまったのです。

二日目の夜はリチャード・ビーンという作家のEngland People Very Niceという新作を観ました。古代のローマ人から現代のパキスタン人まで、イギリスに外からやってきた人々の歴史を描いています。面白いのは、現代の難民収容所の人々が素人演劇としてその劇を上演するという、劇中劇の構造をとっていることです。それぞれ違う国からやってきた難民たちが衝突したり、協力したりして素人芝居の上演にこぎつける、という枠組みと、その劇中劇の中で描かれる移民の歴史が重なりあうという趣向です。そのくらいのおおよそは理解できたのですが、なにしろ移民たちがそれぞれ強い外国語なまりの英語でしゃべるので、聞き取れない細部が多かったのが残念です。

これは劇場の外でも同じこと。今泊っているいるホテルでも、従業員の人たちはほぼ全員外国語なまりの英語を話しています。郵便局の職員もキオスクの店員も、そもそも入国審査の係員まで、みんな外国語なまり。ロンドンでは「外国人」であるか「イギリス人」であるかの違いは、容易に判断できません。英語が実質的に国際的な共通語になったということは、「きちんとした英語」とか「標準的な英語」がだんだん影を薄くし、「多彩な英語」が様々に話されるということなのだと、実感します。

Photo_2[wombyとcherryと一緒にジョー・アレンで芝居談義]

芝居のあとはwomby & cherryのご夫婦とコベント・ガーデン近くの「ジョー・アレン」というレストランで、ワインを飲みながらおしゃべり。遅くまでやっているので、劇場関係の人たちがよく使うお店なのだそうです。店内は俳優やお芝居の写真がたくさん飾られています。芝居の後で、おもしろかったとか、つまんなかったとか、見たばかりの芝居についてあれこれ語り合うのは、ロンドンの夜の楽しみの一つです。

そうそう、うめぞうのクイズの答えですが、まつこの答えは、女性にはフランス語、馬にはスペイン語、神にはドイツ語、男にはイタリア語。当たっているかな?

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コメント

ぽにょです。ロンドン満喫されているようですね!スローンアベニューのジョゼフ、私も先週行ったばかりです!私はもちろんごあいさつだけ。ふふふ。ロンドンも気持ちもすっかり春ですね。私はY樹氏からのお電話にいま出て、少々くらい気持ちになっていましたが、まつこさんのロンドン便りで少し明るい気持ちになりました。お気をつけてお帰りくださいませ。

ぽにょさん、コメントありがとう。ロンドン、しっかり楽しんでいます。新学期の激務に備え、ここは英気をしっかり養わないとね。スローンアベニューのジョゼフは、どんどんセレクト・ショップふうになって、他の高級ブランドのお洋服が増えてますね。隣のジョゼフ・エッセンシャルがジョゼフのオリジナルをそろえているので、私は手堅くこちらで買い物しました。ここって以前はジョゼフのアウトレットだったように記憶していますが、アウトレットの商品はもう扱っていないようでした。掘り出し物見つけたかったので、ちと残念。今日はNicole Fahriあたりを覗いてみます。

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