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2009年2月10日 (火)

スーツケース騒動

まつこです。

昨日、職場でぽにょがゴーギャンに「スーツケースを買い取ってもらえないか?」と聞いていました。ゴーギャンというのはやはり女性の同僚の一人です。まつこがゴーギャンに初めて会ったのは真夏のとりわけ暑い日でした。すらりとした長身、腰まで伸びたまっすぐな黒髪、パレオみたいな長い腰巻風スカート、その姿を一目見て、私は「ゴーギャン」というあだ名をつけました。

ぽにょが売ろうとしているスーツケースはリモワの黒の大きいやつです。身長がそれほど高くないぽにょには大きすぎたのだそうです。「もう少し小さいの買えばよかったわ。この間、ヒースローで20キロを超えていたから1万円くらい超過料金取られちゃった・・・」と言っています。実は、まつこもリモワのスーツケースで苦い思いをしたことがあります。デュッセルドルフの空港で2万円以上の超過料金を取られました。

Photo[ぽにょと色違いのスーツケース]

たいていエコノミークラスで旅をする私たち。荷物は20キロの制限が付いています。この数年、重量制限が厳しくなっているようです。ただなんとなく成田では、「次回からお気をつけください」と言われてお目こぼししてもらえることが多い気がします。しかしアングロサクソン女やゲルマン女は気の毒そうな表情一つ浮かべずに、「ルールはルールです」と超過料金を請求する厳格さがあります。

リモワのサルサというシリーズはポリカーボネート製で、多少、中身が増えて歪んだ形になってもへっちゃらです。何よりもその軽さが魅力です。しかしその長所ゆえに、ついついたくさん詰め込んでしまい、結果として制限を超えてしまう危険があるのです。

私の赤いリモワには、さらにもう一つ苦い思い出があります。初使用の際、うめぞうがダイヤルロックの設定の仕方をよく読まずにロックしてしまい、暗証番号がわからなくなってしまったのです。

これを買ったのはロンドンで長年使っていたおんぼろスーツケースにひびが入った時です。買い物で荷物も増えていましたし、さらにドイツにも回る予定だったので、念のためもう一つスーツケースを買うことにしました。ロンドンのホテルで荷物を詰めて、さあ、出発という瞬間に、うめぞうが「暗証番号をちゃんと決めないうちにロックがかかってしまった!」と言い出しました。

さあ、ここでまつこの反応は次の3つのうちどれだったでしょう?

1)なんでちゃんと説明書読まなかったの?昨日買ったばかりなのよ!着替えも化粧品もみんな入っているのよ!ドイツでどうするのよ!・・・とガミガミどなりまくる。

2)えっ、と絶句した後、しくしく泣き始める。

3)うめぞうのあまりのマヌケぶりに思わず吹き出す。

正解は3)です。笑いながら「ま、ドイツに行ってからなんとかしようよ。いよいよとなれば、ファスナーを切り裂けば、中身は出せるよ」と開き直ったのでした。決して、これはまつこが寛容だからではありません。前日に、ハロッズとハーヴェイ・ニコルズと三越で値段を見比べて、一番安かった三越まで再び行って買ったものです。日本円で数万円。しかし、ここで喧嘩をして雰囲気が悪くなったら、旅行全体がおじゃん。損失はそちらの方がはるかに大きいのです。冷静な計算にもとづく余裕です。

しかし怒られる覚悟を決めていたうめぞうは、ますます、焦りました。そして「3桁だから組み合わせは999通りしかない。一つ一つしらみつぶしにやってみる」と言い出しました。000、001、002・・・「やったー!」。比較的小さい数字だったので、地下鉄の駅で空港に行く電車を待つうちに行き当たりました。やれやれ。以来、その数字を暗証番号として使っています。

Photo_2[暗証番号の数字がわかった瞬間。最初の数字はゼロです。指の形が証拠です]

そしてドイツ――。ドイツでうめぞうは、糖尿病の叔母のために、低血糖になったときに舐めるブドウ糖タブレットを大量に買いました。日本で買うよりはるかに安いのだそうです。何十袋も買い込んでリモワのスーツケースにぎっしりと詰め込みました。そして空港で超過料金を取られるはめに・・・。安いブドウ糖タブレットは、この瞬間、きわめて高価な「舶来キャンディ」に変わってしまいました。

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コメント

まつこ様

“数万円<喧嘩の損失”と冷静な計算が、瞬時にできるとはすばらしいです。

 私の母も、去年の初めにイスラエル旅行にいったのですが、(その時はすでに、認知症と診断されておりました)その時母が買ったスーツケースの鍵は、数字をあわせるタイプのものでした。出発の数日まえに、「鍵の番号がわからなくなった!」といわれ、「なんで認知症なのに、そんな鍵のをえらぶぅ?」と思わず言ってしまいました。結局、適当に回していたら開いたのですが、母が旅行から帰るまで、私はいろんなことが心配で、ハラハラドキドキして毎日を過ごしました。

しょうさん
コメントありがとうございます。認知症という診断が出たあとで、海外旅行に出かける行動力!お母様すばらしいですね。認知症でもできるだけ行動的に暮らすのが良いようですが、ただ家族は「ハラハラドキドキ」の心配の連続ですよねー。この心配で疲れちゃうんですよね・・・。

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