« 国民性って本当にあるの | トップページ | 4つの原因 »

2009年2月 1日 (日)

ドイツの労働時間

またまたうめぞうです。

この週末、まつこはプチ欝をかかえながら介護週末から直接地方出張へ。その留守をあずかるうめぞうが、客足が遠のかないようにせっせとこうしてブログを更新しているわけだ。しかし、いかんせん、うめぞうは写真を貼り付けられない。写真がなくて、理屈の多いうめぞうブログではかえって逆効果になりかねないが、ここはなんとか、まつこの現役復帰までがんばるしかない。いずれ近いうちに「ふっかーつ」とか言いながら、けろりともとのまつこにもどるだろう。うめぞうは血液型性格診断は信用していないが、信者である友人に言わせると、その変わり身の不連続性こそがAB型の特徴だそうだ。ちなみにうめぞうはどこからみても典型的なB型だそうである。

さて、しょうさんが紹介してくれたドイツ人の労働時間の意識。前回のブログでは、国民性などというものはどうも怪しげなものだという趣旨のことを書いた。しかし、休暇に対する意識は、たしかに日独では、はっきりとちがう。これは生活経験からも、国際統計からも一目瞭然だ。

少し古いデータだが、2003年の年間総労働時間(製造業)をみると、日本が1975時間に対して、アメリカ1929時間、イギリス1888時間、ドイツ1525時間、フランス1538時間。年度や統計の取り方、業種などによって数字は若干異なるが、いずれの統計でも「日米英」と「独仏オランダ」では年間350-450時間の差がある。実際には日本ではこれに「サービス残業」が加わり、総務省の調査では実態は2273時間に迫る。

さらに問題なのは、年次有給休暇。日本が「最高」20日に対して、ドイツは「最低」24日。通常は労働協約で平均30日程度はとられている。フランスも30日。

さらに、さらに独仏では有給休暇の連続付与が法律で定められており、ドイツは12日、フランスは最高24日。

さらに、さらに、さらに、日本では最高20日与えられていても、じっさいの年次有給休暇の取得平均は8・5日。対する独仏では労働者の権利として年休の完全消化は常識。それによって周りから冷たい視線を向けられるなんてことはまずない。つまりドイツのサラリーマンなら、年に2回、家族やパートナーと2週間の長期滞在型ヴァカンス(ドイツ語ではウアラウプ)を気兼ねなく楽しめるということだ。これは日本とは、はっきり違う。

さてそこで問題は、この違いを「国民性の違い」で説明してよいかという点である。かなり前のことになるが、「日本は労働者をウサギ小屋に住まわせ、長時間労働を強いることによって低コストで安い製品を輸出している。これは不公正貿易だ」という悲鳴と非難が当時の西側先進国から寄せられた。そのとき、ある保守派の女性作家が、勤労は日本人の美徳であり、国民文化だ、外国から働きすぎなどと非難される筋合いはない、という趣旨の猛反発をした。

しかしうめぞうの意見では、これは文化や伝統の問題ではない。ついでにいえば、長時間労働があたかも日本の労働者の自発的意志によるものであるかのようなことを、保守派の作家などに代弁してほしくはない。これはひとえに政治による制度設計の問題であり、法律に労働者の権利をどこまで書き込ませうるかという政治力学の問題なのだ。

ためしに、勤労者に連続12日間の長期休暇を付与することを法律で全企業に義務付けてみよう。あっという間に、日本人はそのすばらしさを体感し、すぐにそれに適応するだろう。そして、これを長年妨げていたのは、けっしてわれわれの「国民性」や「文化」や「伝統」ではなかったことを即座に理解するだろう。

« 国民性って本当にあるの | トップページ | 4つの原因 »

コメント

うめぞう様

なるほど。なるほど。ふむふむ。と拝見しました。
私2003年ごろは、ゆうにドイツ人の2倍は働いておりました。(恥ずかしながら、数年前までそれを美徳と思っていました。)確かに周囲の人たちは同じ日本人でもそんなに働いていません。国民性ではないとすると、我が家のミームかも・・・。私の家系は、一攫千金を夢みてあまり働かない系と、そのマイナスを補う為にガムシャラに働く系が交互に出現しています。(このブログでミームという言葉を覚え、使ってみたかったのです。使い方はあってますでしょうか?)
ためしに、連続12日間の長期休暇がもらえたら、うれしいけれど、ちょっと不安かも・・・。

うめまつの家系には、どこを探してもがむしゃらに働く人は皆無。
でも一獲千金を夢見て挫折した人なら、自慢じゃないけどいっぱいいます。こつこつ地道にはたらいて企業で出世した、なんて親戚の話は、二人ともとんと聞いたことがありません。とほほ…。
ですから、しょうさんのように、勤勉ミームを受け継いでいるのは、素晴らしいと思いますよ。それにしてもドイツ人の2倍というのはすごい!自分に熱中できる仕事があって、働くことを美徳だと自分で思えるなら、これは理想だと思います。ただ、他人の労働に支えられ、さらにはその上前をはねている立場の人が、お説教調でこれを言い出すと、どうも素直には聞けませんよね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ドイツの労働時間:

« 国民性って本当にあるの | トップページ | 4つの原因 »