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2008年11月 2日 (日)

ノーベルおムコさん賞

まつこです。

昨日、11月1日はまつこのママのお誕生日でした。73歳です。まつこのママは新潟県日本海沿いの小さな町で一人暮らしをしています。昨年9月、もの忘れがひどくて不安だというので、もの忘れ外来を受診したところ、アルツハイマーの初期と診断されてしまいました。その直後、入院中だった夫(まつこのパパ)を亡くし、精神的に落ち着かない様子で認知症の症状も若干出始めたので、以来、まつこは毎週週末には東京から実家に来て、一緒に過ごすようにしています。昨日は誕生日のお祝いをするため、うめぞうも一緒にきました。

いろいろなところに書いてありますが、アルツハイマーは記憶力が徐々に失われる病気です。診断をしてくださったお医者さんも言っておられましたが、記憶力以外の部分まで失われるわけではなく、記憶力という理性的思考の基盤が弱まる分だけ、喜怒哀楽の情緒はより鋭敏になるようです。不安感や恐怖感をできるだけ減じるよう環境を整えることで、進行を遅らせ症状の出かたをやわらげることができる、とのことでした。

当初まつこは「ここは愛の力で進行をとどめてみせる」と張り切ったのですが、仕事を月曜から木曜に集中させ、毎週、新幹線で遠距離を通ううち、"eye bag"がぶよーんと垂れ下がり、次第に疲れのたまった不機嫌な表情に・・・。ママは5分前に自分で言ったことを忘れて聞き返すことや、壊れたレコードみたいに同じ話を繰り返し、昔の思い出話ばかりをすることが増えてきました。最初は優しく「そうだねえ」と聞いていても、だんだんイライラしてきて語気荒く「そう」と無愛想な返事をしてしまいがちになります。そうするとママの表情も不安そうになり、焦ってますますしつこく同じ話をするという悪循環。「まずい」と内心思うものの、こういうときの気分転換は容易ではありません。

そこで、じゃーん、うめぞう登場。ムコ殿と話すときには、ママも少し見栄をはり、しゃっきりとした気分にもなるようです。心優しいうめぞうは同じ話を何回繰り返されても、「あー、そうなんですか」「へえー」と優しく相槌を打ち続けてくれます。ママが「私、なんだかぼけていくみたいで不安なの」と言うと、私なら「あんまり心配しても仕方ないよ」くらいしか言えないのですが、ムコ殿は「お義母さん、大丈夫、ぼけちゃったとしても僕たちがみんながついているから安心していていいですよ」と明るい笑顔で言ってくれます。それを聞いてママも「そうよね、ぼけちゃったらぼけちゃった時よね」と笑い出します。

うめぞう、あんたは偉い!君には『ノーベルおムコさん賞』を授与します。靴下を丸めたまま洗濯機に入れることも、汗まみれのスポーツウェアをうっかり鞄に入れたまま出し忘れることも、みんな許してやろう。認知症に限らないと思いますが、老いた人や病んでいる人とともに過ごすと、ついつい不安や苛立ちが連鎖的にひろがっていってしまいがちですが、それを断ち切るのは健全な鈍感力と笑顔です。一緒に不安に同調するのではなく、まあ、なんとかなるよ、と言ってくれる良い意味での鈍重さ(包容力と言うべきか?)に、ほんとうに救われます。うめぞう、ありがとう!

私たちからママへのプレゼントはお花と冷蔵庫。冷蔵庫は財布にちょっと痛かったのですが、今までのはもう15年くらい使っていて古くなっていたし、それに認知症がこれ以上進むと新しいものには適応できなくなる可能性が高いので、思い切って購入しました。フリーザー、冷蔵室、野菜室の位置関係が変わったのですが、今ならまだ覚えられるでしょう。バースディのディナーは、鯛のカルパッチョ、ステーキ、ブロッコリーのグラタン。ママもおいしそうに食べていました。ウメマツ二人は赤ワインをちょっと飲み過ぎ、今朝は二日酔い気味です。

Photo_6 ママへのプレゼントの小さなブーケ

Photo_7 新潟はもう晩秋です

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コメント

こんにちは。「ヒヨコ・イン・ザ・ワールド」から来ましたFukunosukeです。

ご夫婦でブログをはじめられたのですねー! ウチとおんなじだぁ。というか、ウチは、頼んでもいないのにhiyokoがしゃしゃり出てきたんですけれど。

ところで、お母様のケア、大変ですね。ウチもhiyokoのパパが一人暮らしで、毎週土曜日は家内の実家に行きます。もう8年間ずっとそうです。でも、hiyokoパパは、どういうわけかすごい生命力なので、今のところ何とかやれていますが、、、。


今後ともよろしくお願いいたします。

Fukunosukeさん

始めたばかりのこのブログに1番のりのコメント!
どうもありがとうございます。

8年間、毎週、お父様を訪ねていらっしゃるのですか。Fukunosukeさんとhiyokoさんのブログを拝見していて、とても仲のよいご夫婦だなあと思っていました。子供たち夫婦の幸せな様子を見せるのが、年取った親たちへの、一番の親孝行ですね。そして夫婦円満の秘訣は、妻が少しだけいばっていること。「婦唱夫随」ですね。

ではこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

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