2019年9月15日 (日)

Josephの香水

まつこです。

この夏、1日だけロンドンに行ったのですが、そのときに見つけたのがこの香水。

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[Joseph Parfum de Jour。透けたボトルの向こうに口元が浮かび上がるデザインもおもしろい]

あまりの寒さにJosephでセーターを買ったのですが、その会計の際にレスジター横に置いてある香水に気づきました。Josephに香水あるの知らなかったと言ったら、店員さんが「なかなか入荷しないんだけど、今回はめずらしく入ってきたのよ」と勧めてくれました。

ちょっと試したら、なんだか懐かしい香り。グリーン・フローラル系というのか、フレッシュな甘さです。なんとなくバブル期の肩パット入ったスーツ着ていた時代を思い出されました。「なんなんだ?この懐かしさは!」

それもそのはず、あとで調べたら、もともとは1985年にペンハリガンによって調香されたものなのだそうです。何回か廃盤になったり復刻したりを繰り返しているよう。

あの頃、流行っていたシャネルの19番にも似ているような気がします。(今の19番はちょっと違う香りに変わっているようですね。)ほどよい甘さと爽やかさをまといながら、ハイヒールはいて、都会を闊歩する20世紀後半のキャリア・ウーマン(←死語?)みたいなイメージで、自己形成するのにうってつけの香りです。CKのEternityもこの系譜の香りでした。

最近の新作はもうちょっと軽やかに甘いのが多いけれど、この前世紀の香りはちょっぴりクラシック。シルバー世代のワーキング・ウーマンには、意外に合う香りかもと思って自分用に買ってきました。

まだ湿気と暑さで香水をつける気にはなりませんが、涼しくなったらこの秋はJosephの香水で気合いを入れながら働こうと思います。

 

2019年9月10日 (火)

絵と目があう

まつこです。

美術館の中で「絵と目があう」という瞬間があります。特に予備知識もないまま、時間つぶしのために、人の少ないがらんとした美術館をぼんやり歩いていると、視線が吸い寄せられるようにひとところに向かい、そこで立ち尽くしてしまう。そんな経験です。

今回はミラノのアンブロジアーナ美術館でそんな瞬間を経験しました。この絵です。

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[上方が大きく空き、下辺からカゴがわずかに突き出しているように見える大胆な構図]

部屋の突き当たりにある、さほど大きくもない静物画です。でもそのモダンな構図と個々の果物のエッジのきいた輪郭がカッコいい!そう思って近くとカラヴァッジョの作でした。

いったん吸い寄せられた視線は、なかなかそこから離れず、見ている間にどんどんその絵の魅力が大きくなるように感じる。ちょっと大げさですが運命の出会いみたいな気分になってきます。

そういえば2011年12月にベルリンの美術館でも同じような感覚に捕らえられました。そのときもカラヴァッジョでした。

ひょっとしてわたしってカラヴァッジョ好きなのかも・・・。そう意識しながらブレラ美術館へ。Img_3043

[マテオの晩餐]

こちらにもカラヴァッジョの大作が一枚あります。弟子たちが復活したキリストに気づくドラマティックな瞬間を闇と光の中でとらえています。全体がダイナミックで豪胆なようでいて、脇役の老婆たちの深く刻まれた皺やそっけなく置かれたパンまで精緻に現実が描きこまれています。

カラヴァッジョ、本名ミケランジェロ・メリージ、ああ、この男、荒っぽいのか、繊細なのか・・・? 殺人犯でありながら、深い信仰も感じさせるのはなぜ・・・? 少年の体の美しさを隠すことなく描き出すその画家は、女に対しては残酷か・・・?

いろいろ興味がわいてきて、帰国後、カラヴァッジョについて2冊ほど読んでみました。

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[神戸大の宮下規久朗さんの著書2冊]

地道な学術研究にもとづいたけれん味のない本だったので、カラヴァッジョついての下世話な好奇心はあまり満たされませんが、1600年前後のイタリア美術の大きな様式転換の中でのカラヴァッジョの位置付けがよくわかりました。

カトリックの反宗教改革のうねりの中で、バロック美術という新しいスタイルが生みされ、一方のプロテスタントはバロック音楽の成長をうながしたという大きな構図も見えてきます。

でもわたしが一番知りたいのは、カラヴァッジョの女(および男)関係なんだけど・・・。次は伝記を探して読んでみようと思います。これはやっぱり恋か!(笑)

2019年9月 4日 (水)

それぞれの国境

まつこです。

大きな事故もなく旅程を終えホッとしているところです。最後はフランクフルトに再度立ち寄って帰国したのですが、そのフランクフルト空港での出国審査でひっかかってしまいました。別に高価な宝石類やドラッグをひそかに持ち出そうとしたわけではありません。

ちゃらんぽらんなイタリア人のせいです。

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[1ヶ月間違えているスタンプ]

私たちがイタリアに入国したのは8月22日でした。ところがパルペンサ空港で押されたスタンプの日付は「22-09-19」。9月22日ってまだ来ぬ未来の日付じゃありませんか!

これを見逃さなかったのが律儀なドイツの国境警察。さすがです。「イタリア人よね〜こんな間違い」とか私が笑いながら英語で言ってもドイツ人警察官はニコリともせず。「私たちの責任じゃない」と言ってもなかなか通過させてくれず、この日の航空券は持っていないかとかあれこれ追及してきます。

そこでうめぞうがおもむろにドイツ語で「こんなミスはドイツでは考えられませんよね」と言ったところ、それまで厳かな顔つきだったドイツ人の表情がいっきに和らぎ、「そのとおり」と言って出国スタンプを押してくれました。

今回はEU内で何回か移動したのですが、イギリスの出入国はe-passportになっていてきわめてスムーズでした。イタリアは出入国の係員は陽気で、いちいち「こんにちは〜」とか、私のパスポートの名前を読んで「すばらし〜、まつこさん!」とかカタコトの日本語で冗談を言ってきます。(その間、男のうめぞうはまったく無視されたまま。)そんな愛想ふりまいているから、スタンプの日付を間違えたりするんでしょう。いかにも警察官ですという表情で謹厳実直にスタンプ押してくれるドイツの国境とは大違い。

出入国審査だけでも、それぞれのお国ぶりの違いがハッキリ出ます。数日間滞在するだけでも、言語、食べ物、街並み、人々の表情など、ヨーロッパの多様性を改めて認識します。やっぱりEU統合ってそもそもムリだったのかも・・・という気がしてきました。

ドイツでは右翼政党が急激に勢力を拡大。イタリアでは連立政権が崩壊。イギリスの国会もEU離脱をめぐって荒れまくっています。どこも魅力のある国なのですが、どの国も例外なく大きな政治課題を抱えています。各国がそれぞれにどんな折り合いをつけるのか、遠く日本からも注目し続けたいと思います。

2019年9月 1日 (日)

来た、見た、食べた

まつこです。

シーザーは遠征の成果を「来た、見た、勝った」と短く報告したそうですが、私たちのミラノ訪問は「来た、見た、食べた」。

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[ミラノといえばやはりドゥオーモ。リナシェンテ・デパートの屋上のカフェはアペロにうってつけ。ハッピー・タイムだったので小さなピザもついてきました]

ほんとは「来た、見た、買った」と言いたいところですが、そろそろ資金も尽きかけ・・・

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[もしスカラ座でオペラ見るなら、このエミリオ・プッチのドレスでいいな・・・と妄想しているところ]

モンテナポレオーネのウィンドウに出ていたプッチのワンピースも見るだけで我慢。

だったらせめて食べるものは我慢せずに・・・

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[Hosteria Borromeiのミラノ風カツレツ]

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[Cantina della Vetraのミラノ風カツレツ]

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[厚さ4センチくらいで、すごーく柔らかい]

夕食はホテルのレセプショニストに「地元の人たちに人気のある伝統的料理屋」とリクエストして予約してもらいました。ミラノ風カツレツを食べ比べてみました。もはや私の体重もうめぞうの血糖値も気にしません。

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[ナヴィリオ運河沿いのお店でミラノ風リゾット]

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[イタリアだからやっぱりパスタ!]

ブレラ美術館もアンブロシアーナ美術館も空いていて、時間をかけてゆっくり絵をみることができました。ワインや料理もたっぷりいただきました。見るだけだったけど、おしゃれなブティックもたくさんのぞいてみました。湖畔リゾートもいいけど、やっぱり都会もいいわ、と思ったミラノ滞在でした。

2019年8月29日 (木)

レオナルド没後500年

まつこです。

今回、ミラノに立ち寄った理由は、うめぞうに『最後の晩餐』を見てもらいたかったから。私は修復中に一度、見ていますが、今年はレオナルド没後500年でもあり、もう一度見てみたいと思いました。

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[一度に25名15分と限定されているのでゆっくり静かに眺められます。]

出発前にオンラインで予約を入れようとしたのですがうまくいかず、現地発のオプショナル・ツアーに申し込みました。日本人のガイドさんつきで、ドゥオーモやスカラ座の見学も含まれている半日ツアーです。100ユーロくらいしたのですが、ガイドさんの説明がすばらしく、満足度充分でした。

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[もともとは修道院の食堂の壁に描かれたものです]

数学的に計算し尽くされた構図の絵が、壁一面に描かれています。キリストの背後から注ぎ込むように描かれた光と、実際の窓から差し込む光が交錯して、現実と虚構が一体化した空間が完成します。この食堂にテーブルを並べ、静かに食事をした修道士たちの気配まで再現されるような気分になります。

絵の中に埋め込まれたさまざまな記号や象徴の意味をガイドさんがわかりやすく説明してくれました。「そんな値段を払ってまで見なくてもいいよ・・・」と言っていたうめぞうも、素晴らしい経験だったと興奮気味でした。

ちょっと大阪弁まじりの女性ガイドさんで、「レオナルドさん」とか「ナポレオンさん」というふうに歴史上の人物にすべて「さん」をつけます。話し方もうまいのですが、歴史上の人物がぐっと生き生きとして感じられます。(私も講義でやってみようかな。「シェイクスピアさん」とか「サッチャーさん」とか。)

『最後の晩餐』だけでなく、レオナルド没後500年のイベントは各地で行われています。たまたま泊まっているホテルの隣がアンブロージアナ図書館・絵画館で、ここにはレオナルドの手稿のコレクションがあります。図書館の一室でその手稿とともに絵画『音楽家の肖像』も展示されていました。

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[レオナルド自身も音楽家だったそうです]

身につけている服は比較的べったりと塗りつぶされている一方、顔の表情や指先や楽譜はきわめて精緻に描きこまれています。

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[眼球が動き出しそう]

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[指のしわまで描かれている]

アンブロージアナ絵画館はとても空いていてこちらもゆっくり鑑賞できます。他にもカラヴァッジオやティツィアーノなどがコレクションの中にあります。ミラノというと、ファッションの街というイメージですが、美術や歴史についての知識を深めることもできる場所だと再認識しました。

2019年8月28日 (水)

ミラノ再訪

まつこです。

ミラノに来ています。私は1997年以来なので22年ぶりの再訪です。

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[ドゥオモ前には鳩がたくさん]

古めかしい市電がたくさん走っていて、20年以上たってもあまり変わらない印象です。ドゥオモの近くにあった以前泊まったホテルの場所もすぐに思い出しました。

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[ガレリアの中は観光客でいっぱい]

ガレリアではプラダやグッチがドーンと大きな店を構えていますが、昔はもっと小さなお店がたくさん並んでいたような気がします。旅の途中でサングラスを紛失してしまって、ガレリアの中の眼鏡屋さんで見つけたD&Gのサングラスを買ったのですが、その眼鏡屋さんは無くなっていました。

22年前はひとり旅のイタリアでした。36歳・・・若かったなと、遠い記憶の中の自分が少しまぶしく思い出されました。

2019年8月27日 (火)

オルタ・サン・ジューリオでの夏休み

まつこです。

楽しかったオルタ滞在も終わりました。

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[湖を眺めるプール]

いつも夏休みの旅行はシャンブル・ドットとかB&Bみたいなところに泊まるのですが、今回はちゃんとしたホテルだったのでやっぱり快適。プールも付いていました。

よく遊び・・・

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[定期船に乗ってオルタ湖の北端オメーニャにも行ってみました]

よく食べ・・・

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[料理は想像していたよりずっと洗練されていました]

うめぞうは仕事のノルマもこなし・・・

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[湖に背を向けせっせと翻訳に精を出すうめぞう]

締め切りを抱えた夫をホテルに残して、私はちょっとお買い物も楽しみ・・・Img_28121

[英語がよく通じない店でも欲しいものはしっかり買った!]

たまたま村では3夜連続のジャズ・フェスティヴァルも開かれていて・・・

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[Niklas Winterというフィンランドのジャズ・ギタリストが来ていました]

たっぷり楽しんだので、4泊5日しかしていませんが、もっと長く滞在した気がしています。

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[夕日に輝く湖を眺めながら旅情にひたる]

人生の残された時間やほかにも行きたい数々の土地を思えば、このオルタ・サン・ジューリオを再訪することはたぶんないでしょう。名残を惜しみつつその地を離れていく切なさも旅の味わいのひとつです。

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[夜の湖に浮かぶイゾラ・サン・ジューリオ]

このあと少しだけミラノに寄ってからケンブリッジに戻ります。

2019年8月26日 (月)

オルタ・サン・ジューリオの日曜日

まつこです。

オルタ・サン・ジューリオは石と坂の村です。

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[湖側から見たオルタ・サン・ジューリオの村。小高い山がサクロ・モンテ]

古い石造りの家並みの間の細い道はぎりぎり小型車が通れる程度の幅です。

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[道も細い、空も細い]

村の中心には広場があり、そこから石の坂道を登ると聖母被昇天教会があります。日曜の朝、この教会の鐘が村に鳴り響いていたので、ミサに参加してみました。

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[サンタ・マリア・アスンタ教会]

広場からまっすぐに教会に向かう石の坂道はけっこうな勾配です。私は途中で息が切れてしまいました。立ち止まって振り向くと・・・

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[坂道の向こうにキラキラと光る湖]

登ってきた道ん向こうに朝の光を浴びてキラキラと輝く湖が見えます。坂道を登った疲れが吹き飛ぶ気分です。

ミサは当然ながらイタリア語だけなので、内容は何もわかりませんが、ひんやりとした教会の中で異国の言葉で語られる祈りの言葉に耳を傾けるだけでおのずと敬虔な気持ちになります。

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[別の日に撮影していた教会内部。強い日差しが差し込む明るい教会です]

 

 

 

2019年8月25日 (日)

オルタのサクロ・モンテ

まつこです。

例によってあまり予習をせずにヴァカンス先を選んだので知らなかったのですが、オルタ・サン・ジューリオには小高い山があり、そこはオルタのサクロ・モンテとして世界遺産に登録されている文化遺産でした。

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[小高い山の上にこのような礼拝堂が点在しています]

オルタだけではなく、北イタリアの山や湖の間にはこのような巡礼のための聖地がいくつも作られたのだそうです。そのうちの9つのサクロ・モンテがまとめてピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティとして世界遺産登録されているそうです。

オルタのサクロ・モンテは聖フランチェスコに捧げるために16世紀から17世紀にかけて建設されたものです。ひとつひとつは小さな礼拝堂ですが、それぞれの礼拝堂のの中にさまざまなフレスコ画や彫刻が飾られています。

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[悪魔を退けるミカエル]

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[フランチェスコに教えを授けるイエス]

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[教皇の戴冠式]

どれもなかなか迫力があります。16、17世紀の人々にとっては、巡礼はこうしたドラマティックな芸術作品に触れる喜びを与えてくれるものでもあったのでしょう。

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[木漏れ日が美しく、気持ちの良い丘です]

1日目は歩いて登ったのですが、なかなか良い運動になりました。2日目は町外れからミニ・トレイン型のバスが出ていることを知り、それに乗って行きました。

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[これに乗ると10分ほどで到着。乗客は私たち二人だけでした]

遊園地の乗り物みたいなのに乗って、聖なる山に登る楽しい経験でした。

2019年8月24日 (土)

オルタ・サン・ジューリオ

まつこです。

イタリアのオルタ・サン・ジューリオという小さな村に来ています。

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[オルタ湖に浮かぶ小さなサン・ジューリオ島]

『ある天文学者の恋文』という映画の中に出てきた美しい島を見て、ぜひ行きたいと思ったのが3年ほど前。とうとうやってきました。ミラノの空港から車で45分ほどで来れます。

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[20分おきに出発すると教えられたけれど、人が集まると適当に運行している渡し船]

私たちはこの小さな島の対岸にあるオルタ・サン・ジューリオという村に泊まっています。水泳の得意な人なら泳いで渡れるところに島が浮かんでいます。

到着早々に島まで行ってみました。

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[高い石壁の向こうに修道女たちがいます。頭上のサインは観光客に静粛を求めています]

島の大半を占めるのは修道院で今も修道女たちが祈りの日々を過ごしているようです。細い道には静粛を促す標識があります。歩いて10分もあれば1周できる小ささです。

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[1日目はホテルのテラスでディナー]

この聖なる美しい島を眺めながら、1日目の晩はホテルのレストランのテラスで食事しました。地元のおいしいワインを飲みながら湖を眺めている間に、次第に日が暮れていきます。

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[夕暮れどきの湖]

美しい夕焼けが湖に映るのを眺めているうち、腰痛のことなど忘れてしまいました。

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